「ずっと音楽ばかりやってきたし、一般企業のビジネススキルなんて何もない…」 教員から転職を考えた時、私が最も恐れていたのはこれでした。パソコンのスキルも、営業の経験もありません。
しかし、実際に一般企業のバックオフィス(事務・管理部門)に転職し、現在はチームリーダーとして働いてみて、衝撃の事実に気づきました。 それは、「一般企業の社員は、意外と作業が雑でミスが多い」ということです。
実は、私たちが音大や教育現場で当たり前のようにやってきたことは、ビジネスの世界では「喉から手が出るほど欲しい圧倒的なスキル」だったのです。 今回は、元音楽教員だからこそ一般企業で高く評価される「3つのアドバンテージ」を、私の実体験からお伝えします。
1. 「絶対に間違えられない」プレッシャーで培われた圧倒的な正確性と責任感
【一般企業のリアル】 企業に入って驚いたのは、「平気で提出期限に遅れる人」や「Excelの入力ミスを繰り返す人」が意外と多いことです。「まあ、誰かがチェックしてくれるだろう」という甘えが透けて見えます。
【教員の強み】 私たち音楽教員は、どうだったでしょうか? ピアノの演奏で、本番のステージで「1音」間違えることがどれほどの致命傷になるか、骨の髄まで知っています。 そして教員時代、成績処理や調査書の作成で「1点のミス」も許されない極限のプレッシャーの中、何重にも確認作業を行ってきましたよね。
この「絶対にミスをしてはいけない作業を、最後までやり切る責任感と確実性」は、一般企業の事務職やバックオフィスにおいて、周囲と圧倒的な差をつける最大の武器になります。あなたの「当たり前の基準」は、ビジネスの世界では異常なほど高いのです。
2. 40人のクラス運営=最強のマネジメント・リーダーシップ経験
【一般企業のリアル】 企業では、「5〜6人のチームをまとめるのが大変だ」「部下のモチベーション管理ができない」と悩むマネージャーが山のようにいます。
【教員の強み】 私たちは、価値観も家庭環境もバラバラな中学生30〜40人を一つの教室に集め、毎日クラス運営をしてきました。 さらに、部活動の指導では、反発する生徒をなだめ、目標に向かってチームをまとめ上げる「泥臭いマネジメント」を息をするようにこなしています。
現在、私はバックオフィスのチームリーダーを任されていますが、大人数と向き合い、トラブルを未然に防ぎながら集団を動かしてきた教員時代の経験に比べれば、大人のチームをまとめることは、はっきり言って「イージーモード」です。 もちろん目的や目標が全く違うものではありますが、保護者も含めたクラス運営の経験は、立派な「リーダーシップ」として企業で高く評価されます。特に次に挙げる「堂々とした振る舞い」がポイントです。子供や保護者相手に堂々とした態度は必須だったと思いますが、その当たり前にやれることが貴重なのです。
3. 舞台と教壇で鍛え抜かれた「堂々とした振る舞い」とプレゼン力
【一般企業のリアル】 会議での発表や、他部署との折衝、あるいはクレーム対応。一般企業では、人前で話すときに緊張して言葉に詰まったり、自信なげに振る舞ってしまったりする人が少なくありません。
【教員の強み】 私たちは、毎日「40人の厳しい目(生徒)」の前に立ち、堂々と授業をしてきました。保護者会では、何十人もの大人を前に、学校の方針を理路整然と説明してきました。 さらに音楽専攻であれば、何百人もの観客のプレッシャーを跳ね除けてステージに立ってきたはずです。
この「人前で物怖じせず、ハキハキと、自信を持って堂々と振る舞う力」は、面接の場でも、入社後のコミュニケーションでも、相手に強烈な「安心感と信頼感」を与えます。これだけでも、他の候補者から頭一つ抜け出すことができます。
企業の内情を知る「裏技」(まずはここから!)
私たちが持っているスキルは、企業で確実に通用します。 しかし、唯一の注意点は「その真面目さや責任感を、ブラック企業に搾取されないこと」です。教員の世界において評価や昇給はハッキリいって年功序列だけといっても過言ではありません。しかし多くの一般企業では、「いかに低賃金で働きがいを持ってもらうか」という観点で経営者は考えます。雇われる以上は当然受け入れるラインはありますが、自分のスキルや希望、またキャリアプランと、企業の期待とのマッチ率をいかに高くするかが重要です。
「この会社は本当に働きやすいのか?」「教員の強みを活かせるのか?」 それを知るために、私は転職活動中、「転職会議」や「オープンワーク」などといった口コミサイトをよくチェックしていました。
何社か経験した私が強く感じているのは、スキルマッチや働きがいなどは最終的にその会社である程度の期間働いてみないとわからないということです。しかし、労働環境や職場の雰囲気、福利厚生面については個人のバイアスによるものがないため、口コミサイトの内容と乖離していたことはほぼなかったと記憶しています。
実際にその企業で働いていた社員の「リアルな労働環境(残業時間、有給の取りやすさ、職場の雰囲気)」が赤裸々に書かれています。 無料でサクッと登録できるので、まずは気になる企業の内情を「覗き見」して、労働環境の相場観を養ってみてください。
まとめ:あなたの経験は「宝の山」です
「音楽しかやってこなかった」 「教員の常識しか知らない」 それはコンプレックスではなく、最強の差別化ポイントです。
ただ、この強みを「企業が求める言葉」に翻訳(職務経歴書に落とし込む)作業だけは、プロの力を借りる必要があります。 口コミサイトで企業のリアルを知りつつ、並行して転職エージェント(リクルートエージェントなど)に登録し、あなたの「宝の山」を立派な武器に加工してもらいましょう。
自信を持ってください。あなたの今までの努力は、外の世界で必ず花開きます。

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